株式会社アークエッジ・スペース(本社:東京都千代田区、代表取締役 CEO:福代孝良)は、新たにスパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社及びシンガポールを拠点とする投資会社であるPavilion Capitalを株主に迎え、既存株主のインキュベイトファンド、三井住友海上キャピタル株式会社と合わせて6億3500万円を調達しました。
シリーズAラウンドにおいては、2022年1月に既にインキュベイトファンドをリード・インベスターとし、リアルテックファンド及び三井住友海上キャピタル株式会社を引受先として既に約17億円の調達を実施しており、シリーズAラウンドにおける調達額は累計23億円となりました。シードラウンドからこれまでに調達した資金調達は累計総額で約27億円となります。
今回の調達資金によって、採用等により衛星開発体制の構築・強化を加速させ、既に着手している、SDGs対応向けのIoT通信、地球観測、さらには海洋VDES衛星等の6U衛星コンステレーションの構築を確実に実現するとともに、2025年を目処に、月面活動にむけた衛星コンステレーション構築に必要となる超小型衛星の開発及び実証に取り組んで参ります。
資金調達の目的:
① 月面活動にむけた通信・測位衛星コンステレーション構築
2025年を目処に、月―地球間の超長距離通信システムの構築に必要となる超小型衛星の開発及び実証を行います。アークエッジ・スペースは、既に、日本政府の宇宙開発利⽤加速化戦略プログラム (スターダストプログラム) の戦略的プロジェクトである「⽉⾯活動に向けた測位・通信技術開発」における測位・通信システムの総合アーキテクチャおよび月測位衛星システムや月―地球間の超長距離通信システムなどの関連するシステムとその開発計画の検討の委託先として選定されております。
今回調達した資金により、月測位・通信システムを担う超小型宇宙機の開発・打ち上げ実証を着実に実施していきます。そして、2025年有人月面着陸、2030年代の有人火星着陸を目指す国際宇宙探査計画「アルテミス計画」など、国際的な月の探査・開発に関する活動が高まる中、アークエッジ・スペースは、日本の持続的な月・月以遠の深宇宙探査や月面産業の構築に貢献して参ります。
② 6U衛星コンステレーション
アークエッジ・スペースは、昨年、経済産業省「超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業」(令和3年度 産業技術実用化開発事業費補助金)に採択され、「IoT通信」、「地球観測」、「海洋DX(VDES)」、「高精度姿勢制御ミッション」の4つのテーマに対応した6U衛星7機の設計開発から軌道上運用までを2025年までに実現することを目指しております。
今回調達した資金により、これらの衛星によって、世界中の政府・研究機関及び民間事業者に6U衛星プラットフォームを提供するサービス事業の実証をより確実なものにし、SDGs達成、地球課題解決、海洋のデジタルトランスフォーメーション、持続可能な宇宙産業の創出に貢献して参ります。
③ 人材採用・組織力の強化
海洋のデジタル化、SDGs向けIoT衛星コンステレーション構築から、月面活動にむけた宇宙インフラ事業等に向けた各種エンジニアをはじめとし、これらの事業実現を推進するためのメンバーを幅広く募集しております。
https://arkedgespace.com/news/2021-10-11_career
引受先からのコメント:
インキュベイトファンド 代表パートナー 赤浦 徹氏
福代社長とは2017年に出会いました。念願叶い2021年3月に出資させて頂いて以後、多数の案件を国内外で獲得し目覚ましい活躍を遂げられています。
同社は中須賀・船瀬研の最先端技術に裏付けられた超小型衛星を中心とした開発力と、福代社長を中心とする事業開発力を武器に世界の宇宙ビジネスをリードしていくものと確信しております。他株主様と力を合わせ、全力でご支援させて頂く所存です。
リアルテックホールディングス株式会社 グロースマネージャー 小正 瑞季氏
2021年3月のシードラウンドにて出資させて頂いて以降、アークエッジスペースは複数の政府系事業の受託や地球低軌道ミッションの積み上げなど宇宙ビジネスのプラットフォーマーとして素晴らしい飛躍を見せています。地球上の様々な課題解決と人類のフロンティア拡大に大きく貢献し得るアークエッジスペースをリアルテックファンドは引き続き支援してまいります。
MSIVC2021V投資事業有限責任組合(無限責任組合員 三井住友海上キャピタル株式会社)投資開発 プリンシパル 安藤 雅明氏
アークエッジ・スペースは、世界有数の超小型衛星の開発力と宇宙産業における事業開発力を有しているスタートアップで、今後の成長を確信しております。同社は高性能な6U衛星の低コスト化と大量生産の手法を確立し、海洋のデジタルトランスフォーメーションやSDGs向けのIoT通信、さらには深宇宙探査や月面産業の構築に大きく貢献する独自の衛星コンステレーションの提供を目指しており、弊社はその実現に向けて全力でサポートしてまいります。
スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社 社長 見學 信一郎氏
我が国における唯一の本格的な超小型衛星コンステレーションの開発能力に加え、国内外での幅広い人的ネットワークやプロジェクト組成の実行力に期待しています。本邦ニュースペース産業のまさしくフロンティアを切り拓いていただきたいと願っています。
Pavilion Capital Head Japan Investments CHOUN Chee Kong
今回の資金調達ラウンドを通じて、アークエッジ・スペースは、6U衛星コンステレーション構築、月面活動に向けた通信・測位衛星コンステレーション構築、人材採用・組織力の強化に注力することになります。この活動により、アークエッジ・スペースは、組織として継続的にSDGs対応向けのIoT通信、地球観測、海洋VDES衛星等を開発することで、様々なグローバルの社会問題を解決し、更に月と火星の探査や開発に基づいて、長期的な 「宇宙ビジネス」に貢献できることを期待しております。
これまでの実績と直近の動き:
① JAXAの『⽉⾯活動に向けた測位・通信技術開発』の検討に採択(2021年12月)
JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の公募型企画競争「『⽉⾯活動に向けた測位・通信技術開発』に関する検討」の委託先にアークエッジ・スペースが選定されました。月探査における基盤となる測位・通信システムの総合アーキテクチャおよび月測位衛星システムや月―地球間の超長距離通信システムなどの関連するシステムとその開発計画の検討を実施しております。
https://arkedgespace.com/news/2022-01-11_jaxa_moon
② Comet Interceptorにおける超小型探査機システムの概念検討に採択(2021年8月)
JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の公募型企画競争「Comet Interceptor ミッションにおける超小型探査機システムの概念検討」の委託先にアークエッジ・スペースが選定されました。
③ 「超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業」に採択(2021年8月)
アークエッジ・スペースの6U衛星コンステレーションプログラムが、経済産業省「超小型衛星コンステレーション技術開発実証事業」として採択されました。2023年より随時6U衛星を打上げ、2025年までに「IoT通信」、「地球観測」、「海洋DX*」、「高精度姿勢制御ミッション」の4つのテーマに対応した6U衛星7機による実証を行います。
https://arkedgespace.com/news/2021-08-31_meti_6u
*海洋のデジタル化を実現するVDES衛星の軌道上実証
https://arkedgespace.com/news/2021-10-08_vdes
④ RWASAT1号機の打上及び運用2周年
ルワンダ国初の衛星、3U超小型衛星を受注しました。ルワンダ政府関係機関及び東京大学と共に製造・開発を行い、2019年に国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟から放出されました。2021年には放出2年を迎え、LoRa通信により、東京からRWASAT-1に向けて、1周年記念メッセージを送信する試験を実施し成功、2022年1月現在も運用中しております。