アークエッジ・スペース、6U衛星汎用バスシステムの開発を完了 〜7機の小型衛星が打上げ・軌道上実証フェーズへ移行〜

小型衛星コンステレーションの企画・設計から量産化、運用まで総合的なソリューション提供を行う株式会社アークエッジ・スペース(本社:東京都江東区、代表取締役 CEO :福代孝良、以下「アークエッジ・スペース」)は、2021年度より開発を進めてきた、6U衛星の汎用バスの基本設計、開発、量産試験を順次完了し、今後打上げ・軌道上実証のフェーズへ移行することをお知らせします。

本プロジェクトは、2021年度に経済産業省に採択され、2023年度以降はNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業である宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(超小型衛星の汎用バスの開発・実証支援)/迅速かつ効率的な多種類複数機生産を実現する6U標準汎用バスとその生産・運用システムの開発・実証」の一環として進められているものです。その成果として、10kg級の6U衛星の標準汎用バスシステム、量産システム、および複数衛星の自動運用システムを構築するとともに、2025年度までにこれらのシステムを利用した、7機の衛星からなる多目的衛星コンステレーションの軌道上実証を行います。

ロケットの打上数の増加・価格の低減化に伴い、過去10年間に、人工衛星等の打上げ数は過去最大の約11倍へ増加したとされています(※)。特に、小型衛星コンステレーションと呼ばれる、複数機を用いた一体型での運用ニーズは世界的にも高まりを見せ、短納期・低コスト化を実現しながら多種多様なミッションに対応しうる、6U衛星の実利用へ高い期待が寄せられています。

本プロジェクトで開発された6U衛星汎用バスシステムでは、内部の構造やコンポーネントがモジュール化・規格化されるとともに、衛星バス部(共通部)とミッション部(カスタマイズ部)の接合部分に、柔軟な設計変更を実現するミッションインターフェース(MIF)を採用しています。3U相当を確保するミッション機器の搭載部を柔軟に載せ替えることで、衛星開発に要する費用や時間を最小限に抑えながら顧客のニーズに応じた多様なミッションへの対応が可能となります。

今般の軌道上実証では、6U衛星汎用バスシステムの基本機能と標準搭載のIoT通信機能を備えた「基本モデル」のほか、この基本モデルをベースに、ミッション変更等を行った派生形として、以下の計4モデル、7機の衛星の宇宙空間での有効性、実用性を検証します。

  • 基本モデル:3U強の縦型ミッションスペースを確保しており、宇宙部品の軌道上実証等に利用可能
  • リモートセンシングモデル:衛星リモートセンシング向けに姿勢制御能力を向上したモデルで、光学・多波長、近赤外線など様々な地球観測に活用可能
  • 大型アンテナ搭載モデル:展開アンテナを搭載でき、VDES (海洋向け通信衛星) の軌道上実証で活用
  • 光通信対応モデル:光通信向けに捕捉追尾制御等のより高度な姿勢制御ができるモデル

本事業で得られる知見を活かし、国内外の政府・研究機関、民間事業者に6U衛星のプラットフォームを提供することで、SDGs目標の達成をはじめとする、地球規模の課題解決や持続可能な宇宙産業の創出に貢献して参ります。

※出典:内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙輸送を取り巻く環境認識と将来像」(2023年6月27日)3頁

参考:当社の6U衛星汎用バスシステムについて

  • 衛星としての基本的な機能を司る共通部(衛星バス部)と、衛星のミッションに応じたカスタマイズを行うミッション部の2つの領域から構成
  • 内部の構造やコンポーネントがモジュール化・規格化されるとともに、衛星バス部とミッション部の接合部分に柔軟な設計変更を実現するミッションインターフェース(MIF)を採用
  • ミッション部の搭載機器を柔軟に載せ替えることで、衛星開発に要する費用や時間を最小限に抑えながら顧客のニーズに応じた多様なミッションへの対応を実現
  • 軌道上実績のある汎用バスシステムを多様なミッションにおいて繰り返し使用することで、衛星プラットフォームとしての信頼性・堅牢性を向上

参考:今後の打上げ計画について(2024年10月時点)

今後の6U衛星汎用バスシステムによる小型衛星打上げのスケジュールは、以下の通りです。
※ただし、打上げロケットの事情等により、変更の場合がありますので予めご了承ください。

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