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アークエッジ・スペース 彗星探査ミッション「Comet Interceptor」における超小型探査機の開発メーカーに選定

超小型人工衛星による地球周回軌道コンステレーションから深宇宙探査などの幅広いミッションを推進する株式会社アークエッジ・スペース(本社:東京都江東区、代表取締役 CEO:福代孝良)は、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)から、長周期彗星探査ミッション「Comet Interceptor」における超小型探査機のシステム開発メーカーに選定されましたので、お知らせします。

Comet Interceptorは、太陽系形成初期の始原的な特徴を残す「長周期彗星」を人類として初めて直接探査するミッションです。太陽系科学コミュニティが標榜する二つの科学テーマである(1)太陽系における生命生存可能環境の形成の理解、及び(2)宇宙ガスを支配する普遍的な法則の解明に関して、他の太陽系天体探査では得られない重要な知見を得ることが期待されています。

Comet Interceptorは、欧州宇宙機関(以下、ESA)とJAXAの共同ミッションで、2029年度の打ち上げが予定されています。親機1台(探査機A)と子機2台(探査機B1、B2)により構成され、日本からは子機のうち1台の超小型探査機B1(35kg程度、24U程度)の提供を行い、アークエッジ・スペースが探査機システムの開発を担当します。打ち上げ後、太陽―地球系のラグランジュ点(L2点)に待機しながら、観測対象となる彗星を発見し次第、その到来に合わせ、母機と子機、複数機での同時多点フライバイ観測(対象天体のそばを飛行し観測する方法)を行います。本ミッションは、子機を活用することにより低コストでチャレンジングな探査ミッションを可能とし、太陽系探査における超小型探査機の一つの活用のあり方を示すものとなります。

本件はJAXAの深宇宙探査機システムの開発メーカーとして、宇宙スタートアップ企業が選定された初めての事例であり、アークエッジ・スペースは、これまで培った超小型人工衛星の技術を活かして、人類として初めてとなる長周期彗星の直接探査ミッションに貢献します。

今後の予定

2026年度予定のESAへのフライトモデル引き渡しに向けて、アークエッジ・スペースはComet Interceptorの超小型探査機の開発を進めていきます。打ち上げは2029年度に予定されています。さらにアークエッジ・スペースは、月面産業の構築や深宇宙探査に貢献するなど、世界最先端の超小型人工衛星で人類のEdge(エッジ)に挑戦していきます。

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Comet Interceptor探査機B1イメージ

株式会社アークエッジ・スペースについて

アークエッジ・スペースは、東京大学で培った超小型人工衛星の開発技術や利活用技術を元に事業化を行うことを目的として2018年に創業しました。現在、超小型人工衛星を中心とする多種類複数の人工衛星生産体制を構築し、超小型人工衛星、地上局整備、関連部品の設計・製作などのハードウェア事業に加え、人工衛星運用サービスの提供、関連するソフトウェア開発、教育・コンサルティングなどの各種事業を幅広く展開しております。

これまで、ルワンダ公共事業規制庁(RURA)にルワンダ衛星「RWASAT-1」を提供するなど、海外への衛星供給実績を有します。また、昨年度よりJAXAの「『月面活動に向けた測位・通信技術開発』に関する検討」の委託先の一つに選定され、月通信・測位衛星システムや、月―地球間超長距離通信の技術検討を進めています。

今後は、IoT通信、地球観測、海洋VDES等に対応した人工衛星コンステレーションの構築を実現するとともに、月面活動にむけた衛星コンステレーション構築や深宇宙探査など、幅広いミッションに貢献する超小型人工衛星の開発及び実証に取り組んでまいります。